都会のあれこれ

昨日大阪駅で急に気分が悪くなり、嘔吐、めまい、寒さ、手足のしびれと怒涛のように異変が襲ってきました。あまりの辛さにトイレ近くの壁際でうずくまっていたのですが冷や汗をかくばかりで一向によくなりません。そんな私がまるで見えないように、周囲の人々は足早に往来しています。以前、今住んでいる下町のほうで同じような状況になったとき、一度はホスト風の兄ちゃんが、一度は二人連れのおばちゃんが「あんた、大丈夫か?」と声をかけてくれました。都会の駅って、なんか、ひどく、冷たい。気分が悪いながらも、朦朧とする頭でそんなことを考えていました。
30分ほどうずくまって回復を待つのですが、一向におさまらないので、意を決してタクシーに乗って病院に行くことにしました。ふらつく足で、ロッカーにがつがつぶつかりながら歩いていると、ホームレス風のおっちゃんが「あんた、大丈夫か、顔色めちゃくちゃ悪いで、救急車呼ぼか?」と声をかけて来ました。正直に言います、ちょっと怖いと思いました。で、「いや、タクシーに乗って病院にいきますから大丈夫です。」と答えると、「そうか、もうすぐタクシーおるからがんばりや。」と言ってくれました。ふらつきつつもやっと停車中の空車のタクシーの前まで行き、これで助かった、と思いきや、タクシーの運転手は「ねえちゃん、前の車から順に乗ってくれるか?」と言うのです。どうやらそういう規則らしい。でも先頭まで行くのも本当に出来るかどうかという位しんどくて。
すると突然さっきのおっちゃんが「この子な、気分悪い言うてふらふらで顔色悪いんや、病院まで行く言うてるから頼むし乗せてったってくれへんか?」と言ってくれたのです。それで運転手は私を車の中に入れてくれました。
あの膨大な人ごみの中で、私というたった一人の人間の異常に気づいたのは、もしかしたらおっちゃん以外にもいたのかもしれません。でも、実際に声をかけてくれた人はほかに誰もいなかった。
ちゃんとお礼できなかったけど、おっちゃん、ありがとう、一瞬でも怖いなんて思ってごめん。
その後病院で点滴(ブドウ糖+黄色かったから多分ビタミン剤)を打ったら治りました。何だろ、低血糖かなんかでしょうかね。今は元気です。
都会の冷たさと都会の暖かさを同時に感じた出来事でした。