今日の写真:観覧車のふたり

久々に夕暮れのHEPの赤い観覧車に乗った。前のカップルが幸せそうだったのでシルエットだけ失礼。
ハチミツとクローバー』にこんな文章があります。

小さい頃 僕には観覧車が何のためにあるのかがわからなかった
のろくて ただ高いだけで 一度乗っただけであきてしまった
ジェットコースターにループスライダー
わくわくする乗り物にしか目がいかなかった
でも 今なら 何となく解るような気がする
この観覧車という乗り物は
好きな人と一緒に
ゆっくりと空を横切ってゆくためにあるのだ
多分

ハチミツとクローバー 3 (クイーンズコミックス) ハチミツとクローバー 第3巻より
確かにね。昔は私にも解らなかったよ。
でも観覧車は、ひとりを確かめる乗り物でもあるとおもうのです。ひとりで小さなゴンドラに閉じられて。にんげんや有象無象のひしめく地上から少し離れてみる。自分はひとりなんだと思う、だけどそれは悲しい事じゃなくて、ひとりの人間だったから、他の人間と交われるんだというあたりまえの事の裏返しだったりする、なんてぼんやり考える、そんな感じ。ああ、孤独だなあ、という感覚を悲しい気持ちにならずに確認できる稀有な装置だと、(少なくとも私にはそう。)そう思います。
そして今日も一人で観覧車に乗って私が私であることを認めたりしたりしたのでした。今日の観覧車はひどく感慨深かった。