宮島達男 Beyond the Death展(死の三部作)@CAMK 2回目

今日も行ってしまいました。どうしてももう一度みたくて、仕事終わりの母と街に買い物に出た時、些か強引に誘って。
昨日の私のレビューもどき、ひとつ大事な事が抜けているのに気づきました。
作品はどれも美しかった。
特に『Mega Death』は。その美しさが強ければ強いほど、突然の闇の暴力性が際立つのだなあ、と、しみじみ思いました。言わずもがな、な事ですが、思想性に追われすぎて危うく大事な事を見落とす所だった・・・。
あとひとつ。母と一緒に行って驚いた事が。『Deathclock』で、自分の「死亡希望日」を入力する画面で、母が、ほとんど悩まずに年月日を入力した事。


そして、それがあと15年後だった事。


しばし呆然。そして母と帰りにその話をすると、いやあねえ、あと15年したら私何歳になると思うのよ、と言われました。・・・・・・。そして、私がなかなか決められなかった「死亡希望日」を何故あんなに簡単に決められたのか、と問うと、それがあんたと私の歳の差よ、と一笑に付されてしまいました。母は、あと5年、父と共に自分たちの老後と、そして会社と、それを継ぐ弟のために働き、残りの10年は父と共に自分たちの楽しみに使うの、と、楽しそうに言っていました。「今も十分楽しいんだけど。だから、それがもし5年後でもまあ文句は無いわ。5年というのははまあ義務みたいなものね。だから残りの10年はご褒美みたいな物。それにね、どう逆立ちしたって、私はもう、生きてきた年月の倍は生きられないのよ。」
母の輪郭がいつもよりくっきりと見えた帰り道でした。