リュウがいなくなった!!

実家の愛すべきご老体。小さな小さな時から育てた柴犬です。


我が家は家族が皆日本各地にちりぢりなので共通の掲示板のようなものをもっているのですが、そこに書き込まれているのを発見して慌てて実家に電話しました。
聞くと昨日の昼からいつも彼女が住んでいる我が家の彼女の住処(ビルの屋上)から忽然と姿を消していたそうです。屋上の扉とビルの玄関が同時に開きっぱなしという偶然が重ならないと出来ないワザです。(屋上の扉は鉄で重すぎるしシリンダーが回っているし、玄関もこれまたガラス扉で、最近老朽化してきたのか人間でもとても重いので彼女では開ける事ができません。)屋上の壁は飛び越すには高すぎるし、彼女は高い所があまり好きではないので飛び降りた(飛び落ちた)可能性はほぼゼロです。(勿論それだったらビル周辺で見つけられるでしょうし・・・見たくないけど・・・。)
母は眠る事もできず、夜も朝も探しに行くけど見つからないそうです。
実家もリュウも引越ししたばかりで彼女に土地感がちゃんとあるかどうか定かではありません。(実際には元いた場所に戻ったのですが、8年ぶりくらいです。その頃にもちょくちょく脱走して5車線の交差点を斜め横断したりして大騒動を起こしていましたがちゃんと自力で戻ってきていました。)最近は白内障と後ろ足の浮腫がひどく、現在病院に連れて行き、*1あまり歩きたがらないので、引っ越して以降は散歩はほとんどさせていないとの事。(階段を上るのもしんどくて嫌がったらしいのです。屋上がそれなりに広いので、つないでおらず、そこに小屋を置いて自由にさせていました。)
夜になると目がほとんど見えません。最近は耳も良く聞こえなくなっているようでした。おまけに雨が降っていて、九州は台風です。
濡れていないだろうか、風邪をひいていないだろうか、車どおりの多いあの場所で事故にあったりしていないだろうか。歳を取り体力も衰えているであろう彼女の事がとても心配です。


彼女がまもなく天命を全うするであろう事は家族の誰もが覚悟している事です。でもこんな形はあまりにも悲しすぎる。


とにかく、今は心配で心配でならないのに、何も出来ない自分が歯痒いです。探しに帰ってしまおうかとも思いましたが飛行機すら飛んでいません・・・。お願いだから無事でいて。いい知らせがあるのを祈るばかりです。
リュウについての記事→id:kuma-neko:20040609#p2

*1:10/21追記:実家からの情報によると、どうやら彼女は乳腺筋腫であるようなのです。体力的に切除手術には耐えられないだろうということから毎日投薬していたそうです。悪性の腫瘍かどうかははっきりしていないようなのですが・・・。そんな事で、彼女は毎日薬を飲まなければならない体であったのですし、筋腫にかかってからは本当に見る見るうちに弱っていたようです。それを思うとますます胸が痛みます。また、脱走した経緯についてなのですが、台風が近づいていたので、父が屋上のタワー(無線やテレビのアンテナ)の固定を確認していた時、たまたま工具を家の中に入れていたのでちょっとの間屋上の扉を開けていたらしいのです。そして気づくと彼女の姿が無く、あっ、とおもってビルの玄関のガラス戸を見るとそれが(いつもは閉まっているのにたまたま)開いていたとのこと。不運が重なりました。まあ、あくまで私たちにとっての「不運」ですが。どこかで猫は自分の死期を感じた時に、住み着いている家から出て行って野に帰って死ぬと聴いた事があります。そんな事を少し思い出すのです。今日の朝もビルの玄関に置いた、彼女の小屋に入っているお気に入りの毛布に寝そべってはいないかと目が覚めた父が見に行ったそうですが、やはりそこに姿は無かったとの事。「たかが飼い犬ごときで。」と思われるかもしれません。私も自分をそうやって納得させようともしました。しかし、小さな頃から育てて一緒に育ち、思い出が沢山あると、例え警察では「遺失物」扱いされようが、それはただの「犬」ではなくなってしまうのです。老いて、かつ病気を抱えた彼女が今何処でどうしているのかと考えると、現実感を失ってしまうほど、私は途方にくれてしまいます。勿論私がどれだけ悲しもうが、心配しようが事態が変わらない事位判っていますが、心は勝手にそう動きます。とても、悲しいです。