「とりあえず」

時々、この言葉があるから今は生きていられるような気がするときがあります。正しくは、「とりあえず、・・・・・まで」「とりあえず、・・・・・があるから」。
すぐ近くの何かにまるで縋るように、そこまでたどり着くことだけを考えて、先のことを考えないで。遠くのことは茫洋と続く霞の中、延々と続く無限ループの中、少しでも考えると飲み込まれてしまいそうで。
「とりあえず」は小さなことでいいのです。「とりあえず母が来るから」「とりあえず宝塚を観にいくまで」「とりあえずMさんが帰ってくるまで」「とりあえずこのCDを聞き終わるまで」「とりあえず眠ってしまえば」
とりあえずまではがまんする、とりあえずまではかんがえない、とりあえずまではいきのこる。
ヴィジョンのない思考停止の積み重ね。でも生きるってこんな事だったりするのかしら。なんか違う気がするのに、今を凌ぐにはそうしか出来なくて時々とても悲しいのです。