宝塚宙組大劇場公演9/17(11時・3時)

今作のシャンシャンと台本

今日も2本見てまいりました。2公演ともS席後ろよりですがセンター席で見やすかったです。この前1日2本観た時もちょっと感じたのですが、どうも11時公演より3時公演のほうがいいみたい。声が出てるし、レビューも乗ってるし。でもね、あくまで「比較したからわかる」という位の差で。一定のレベルは満たしているし。ひとつひとつ取り上げて観たら判らないと思います、私。でもまあ、今度から11時と3時、迷ったら3時にしようかな、と思いました。
通うほどに感情移入する度合いが高まるようで・・・。いままで<11時<3時と号泣度合いがアップ(笑)。台詞も歌も半分以上は頭に入ってて、で結末も知ってるのに、です。自分でちょっと呆れます。カタルシスだね(笑)。←さすがにちょっと恥ずかしいのです。
明日も多分2公演観ると思います。千秋楽のチケット手に入るかも!!私の中ではガイチさん(初風緑さん)のさよならだし、楽日はいつも盛り上がるし、楽しみです。

ここからはちょっと中身に入るので、ネタバレ嫌な方は見ないでくださいね〜。



何から書くか迷ったのですが、今公演特に印象に残った、今公演で退団される初風緑さん(ガイチさん)のことを。
私、ガイチさんのお芝居を観るのは風共の地方公演(アシュレー役)以来です。その時には歌が上手い人だなーと思いましたが、役どころ上も(私の中では)線が細く、それ以上の印象には残りませんでした。
今回「炎にくちづけを」「ネオ・ヴォヤージュ」を観て、とにかく上手い!!と驚きました。もともととても歌が上手い方なのだけど、なんというか、ガイチさんの滑らかですべるような声と歌い方が、ルーナ伯爵のいやらしさにこれもう、もうぴったりなんです。(これ、本気で褒めてます。)あれだけ冷徹かつねちっこく歌われるともうたまらん!というくらい役どころにぴったり。でもいやらしい敵役としてだけでなく、「三ヶ月」のシーンでは愛されず、孤独な一面を嘆きの溜息のように歌い上げる。ここが素晴らしいから、人前では強気で残忍な『表の』伯爵とのギャップが出るし、なにより『ルーナ伯爵』という人がただの単純な悪役としてだけでなく、きちんと描かれて救われると思うのです。
ショーでもいろいろすごいけど、特に「ピアノ魔」がすごい。あんな音のはげしく飛ぶめちゃくちゃ難しい(しかもテンポの速い)曲を歌いこなすなんて、本当に感動します。あのシーン、タニちゃん(大和悠河さん)の歌はほとんどなしで、ヴィジュアルは見目美しく、歌はガイチさんで、もうなんちゅうかおいしいとこ取りって感じがする(笑)。わかってるなーって感心してしまった。
そうしてガイチさん歌の魅力にすっかり取り付かれると、エトワールで大階段をにこやかに下りてこられるとき(歌詞もさよならのガイチさんのために新たな出発をイメージしたもので)「ああ、この素晴らしい歌声がもう聴けないのか。。。」と思うと、いつもレヴューではニコニコ(というかニヤニヤ)笑いっぱなしの私がちょっと鼻の奥がつんとするような気持ちになるのです。
とにかくこの公演、ガイチさんの歌声なしでは絶対成功しなかったと思います。さよなら公演でその魅力に気付くなんて遅すぎるけど、でも知った喜びとともに、19日の千秋楽まで(私は東宝にはいけないので・・・。)注目し続けたいと思います。