半透明な膜

そんなものに包まれているような感じです。感じ方が鈍い、後でまとめてドンと伝わる。その瞬間にはよく見えていなくて何も出来ない、もしくは頓珍漢な事をする。うまくアウトプットできない。邪魔くさい。思考停止に近いけどもう一人の自分が喧しく煩くちがうちがうだめだめという。どうしたらいいのー?えー?


私は月の物で、Mさんは慣れないデスクワークの連続で二人して疲労困憊の日々。週末などはそれを見ない振り、もしくは吹き飛ばすかのように二人して勢いつけて遊んだりお酒をかぷかぷ飲んだりして、それはそれでその時十二分に楽しかったのだけれど、この疲労はそんなものじゃ取れなくて。Mさんは「HALの言ってた『肩凝り過ぎて頭が猛烈に痛い』のがやっとわかった。」といっていました。そんなの一生わかって欲しくなかったです。大阪のあの腕のいい鍼の先生に治療してもらったら一発でよくなるのに、連れて行ってあげたいよ、というと「いい、俺はそういうのには頼らない。」と言っていました。まあ相当おかしい時にさえ病院にも拝み倒さないと行かない位なので、東洋医学アレルギーなんかではなく、単に自分の身体は自分で治す、というポリシーなんでしょうが。。。せめて眠る時に背中をさすってあげました。最初はなんだか寝言を言っていたのでなんだかんだと意味不明な言葉に返事をしていたのですが、以前id:alabasterさんに「寝言に言葉を返すと・・・。」というのを思いださせてもらったのを思い出し、止めました。背中をさすりながらこのひとが辛いものがこの手のひらを通じて全部私に移ってしまえばいいのに、と思いました。


痛いの痛いの、全部私に飛んで行けー。


私だったら、どうせあちこち痛いしあちこち辛いしそしてそんなのには慣れっこだし。女だからあなたよりきっと痛みに強いし。この人にはそんな思いをして欲しくないなあ、全部私が引っかぶってしまいたい。全部私が引き受けるから、朗らかに穏やかにいつだって幸せでいて欲しい。だからいまだけこの手のひらがそんな魔法の手のひらにならないかなあと、存外な熱心さで寝息が安定する間でずっとさすっていました。いつの間にか手のひらは汗びっしょりになっていました。このまま私は少しずつ少しずつ薄黒く、どんどんどす黒くなっていって、絞ったら墨汁みたいなモノがぽたぽた落ちるようになって、最後の最後は真っ黒な墨みたいなドロドロをげぼっと吐いてそのまま朽ち果ててしまいたい。そうしたらその黒さに私はきっと満足すると思う。そんな事ばかりこの薄い半透明な膜の内側で考えているのです。